2012/09/14
二宮先生語録39 現代語訳
39.火と水とは日常生活になくてはならないものだ。
しかし火を燃えるのに任せておけば、火災となる。
これを抑え、煮炊きに役立てている。
水は流れるに任せば水害となる。
これを防ぎせき止めて、灌漑に役立てている。
火や水を抑えるのは、その天性に反する。
しかしその天性に反しなければ、人の役に立てることができない。
人の行動もまた同じである。
情欲の好むことを我慢し、嫌うことを勤めば、必ず成功する。
情欲が嫌うことをせずに、好むことをすれば、必ず失敗する。
なぜかというと情欲が嫌うところに道心があり、その好むところが人心だからだ。
本には「人心は、危ないもので、道心はわずかだ」とある。
人心とは体から発生して、欲からでるものだ。
これを荒地に例えると、雑草を刈り、開いて田んぼにしたとしても、雑草が日々生えてきて、また荒地に戻ろうとするようなものだ。誠に危ないものだ。
道心とは体を離れて天理から出るものである。
これを良田に例えると、深く耕して米を植えても、肥料をあげたり、手入れをしなければまた荒地に戻ってしまうようなものだ。
誠にわずかである。
だから危ない人心を治め、微かな道心を大きくするには、農民が田畑を耕し、雑草を日々取りのぞくように一生懸命努力しなければならない。
これが私が、まず最初に心の荒地を開拓する理由である。
わが道を行う者、人欲の火を抑え、天理の水を抑え、心を治めなければならない。
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