2013/04/28

二宮先生語録102 現代語訳 痩せ馬にめぐむように


我が法は上から下に施す道である。天下では将軍や天皇。国においては君主。群においては郡長。村においては村長。一家においては主人の行うべき道である。
これを馬飼いや農夫に例えよう。
馬飼いが痩せた馬を責めて、たくさん荷物を背負ったら餌をやろうと、大声で怒鳴っても何にもならない。もし着物を質に入れ餌を買って食べさせれば、必ず荷物を背負えるようになる。
やせ細った馬に餌をやるのは無駄なように感じるが、そうではない。一度餌を与えて効果がなければ、もう一度与え、それでも駄目ならばさらにもう一度与える。三度も与えれば馬の力は必ず回復する。
回復すれば、たくさん荷物を背負えるようになるし、お金も稼げるようになる。そうすれば妻子を養うことも出来るようになる。これは最初に着物を質に入れ、餌を与えたからである。

農夫が茄子を作る場合も同じで、茄子畑に向かってたくさん実がなったら肥やしをやろうと言っても仕方がない。
それよりも休まずによく努めて肥やしをやれば、必ずたくさんの実がなる。

衰えた国もおなじである。怠惰で飲酒や博打にふけり、壊れた家を修理せず、田畑は荒れ、税金は滞納していくこれが貧民の姿である。
これを再興するには君主が分度を守って余財を生み、よく働くものを賞賛し、困窮者をすくい、壊れた家を直してやり、水利をよくし、荒地を開いて誰もが安定した収入を得るような政策をするしかない。そうすれば怠惰はおさまり、田畑はよく耕され、衣食は足り、税金の滞納は恥として先を争って治めるようになる。

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