2013/04/30

二宮先生語録 103 現代語訳 わざわいと福は人間が勝手に決めたもの


103.わざわいと福、吉と凶は、一つのものである。コメには糠があるし、肉に骨があるのと同じである。
マグロの刺身を見て骨がないというのは子供の見方である。肉の多い魚には必ず大きな骨がある。肉は食べられるが骨は食べられない。そこで食べられる肉を吉として、食べられない骨を凶とする。
米と糠もまた同じである。米は食べられるが糠は食べられない。その米も食べられるときは福とされるが、腐って食べられなくなるとわざわいとされる。
野菜は食べられるから福で、雑草はわざわいとされる。
天道はそうではない。野菜のように人が手入れをしなければ、死んでしまうものは死んでしまうに任せて、雑草のように勝手に茂るものは茂に任せる。
だから天道にわざわいと福、吉と凶はがあるのではない。わざわいと福、吉と凶は人間が自分たちのために勝手に作ったものだ。この道理をはっきりと理解しなければ私の道を行うことが出来ない。

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