62.みんな人である以上、父母・兄弟・妻子がいる。そこで衣・食・住の道が一日も欠かすことができない。の一家を治めるということは簡単なようでいて難しい。大学に「一家が仁であれば国に仁がおこり、一家が譲であれば国譲がおこる」とあるが、仁・譲は国家の根本である。人が生まれて来るときには、産んでもらう恩を必ず受けている。大人になったならば、育ててもらった徳を必ず受けている。その恩や徳に報いるのが、人の道である。才学とか技芸とか、田畑とか、職業などは、全て家を経営するために必要なものであるが、それらを、自分たちのためばかりに使い、人に譲らなければ、仁も譲もあるわけがない。分度の内で節約し余財をうみ、これを譲って人を救う。
これを仁・譲という。
自分が生み育ててもらった恩や徳に報いるために仁・譲を実践するのだ。
君主がこの道を行い、武士や平民がこれを真似れば天下は太平になるだろう。
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