2012/10/20

二宮先生語録52 現代語訳


52.衰えた村の民は、一日中怠けていて、借金をして酒を飲み、いつも思い通りにならないことを憂いている。ちょっとした幸せを得ることが出来れば喜び、窮困が迫れば悲しみ、いつもできない様なことを望んでいる。
これは明日つくる縄を、今日使おうとするようなものだ。
だから一生その望みがかなわず、ついに窮困して流浪するようになる。
そういう村民を治める者は村長である。村長もまた分度を守り余った財産を譲り、貧民をめぐむという道を知らない。富貴にふけり、贅沢をほこっていると、借金が生まれ、家計は月ごとに窮し、ついに家を滅ぼし、身を亡ぼすに至る。
これでは貧民と全く同じである。実に哀れむべきことだ。もし村長が分度を守り、節倹に努め、余った財産を譲り、貧民を助ければ、貧民はその恩恵にありがたく思い、怠惰を改めて善にうつり、村長を父母のように思うようになる。孝弟・義信の美しい習慣が起きるようになる。これは一村を治めることができるだけでなく、一国でも治めることができる。

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