100.人がきれいなものを好んで、汚いものを嫌うのはわがままなことである。穀物でも野菜でも糞でできた肥料で養わなければ大きくならない。今大根を洗ってイスの上に置けば数日で腐ってしまう。これを肥料として使えば作物は喜んで大きくなる。人が嫌って汚いものとしているものは、大根はきれいなものとして好んでいる。
このようにきれいと汚いとはもともと一つのものである。この道理から、善悪、正邪、禍福、吉凶、上下、貴賎、損益、多少、苦楽、存亡は全てもともと一つのものであることがわかる。
人はこれらが一つのものだということを知らず、片方を好み片方を嫌う。わがままなことである。
汚い糞でできた肥料を使ってきれいな穀物や野菜をつくり、それで人の命を養うのが人道である。
私の方法は人が嫌うところを引き受けて、人が好むものを与える。すなわち負債を変じて無借金とし荒地を変じて良田とし、衰貧を変じて富盛とする。これが私の道である。
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