50.天下のもので水より平らなものはない。
いまここに千石、百戸の村があるとき、これを平均すれば一戸あたり十石で、これが天分である。
これはちょうど水面と同じだ。
ここで十五石持っているものは、富者であり、ちょうど水面の上にでているようなものだ。
ここで五石持っているものは貧者であり、ちょうど水の中にもぐっているようなものだ。
その5石を有つ者を者を小となし貧となす。
これなお水中に没するごとくなり。
天分が十石のむらにいて、平均より五石多く、水面の上にでていることを楽しむものは、そうしてそれができるかと言えば、五石少なくて、水中に沈んでいるものがいるからである。
富者と貧者は一体のものである。
だからこれをわきまえて、富者は余った財産を譲り、貧者を助け、貧者は働いた余力を富者の恩に報いるのがよい。
そうすれば、富者・貧者ともに水面に浮かび、生活を楽しむことができる。
これが国家治安の根本である。
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