6.天下には天下の分限があり、一国は一国の分限があり、一郡は一郡の分限があり、一村は一村の分限があり、
一家は一家の分限がある。これは自然のことである。
その分限により費用を定める。これを分度という。
末世のいまは贅沢を求めて、分度を守る人が少なくなった。
もし分度を知っていても、分度を守らなかったら、大国をつくっても費用の不足が生じる。
分度を知らないものなら、なおさらである。
たとえ世界すべてを手に入れたとしても、その費用の不足を補うことはできない。
なぜならば、天には限りがるが贅沢には限りがないからである。
分度は国家において、家屋の基礎のようなものである。
基礎が出来て初めて、家屋を作るべきである。
分度を定めて初めて、国家を経理すべきである。
もし分を守り、度を謹めば、財は日々貯まり、国を富ませ民を安定させることができる。
0 件のコメント:
コメントを投稿