2010/08/09

二宮先生語録5 現代語訳

5.鳥獣は生まれながらに毛羽がはえていて、爪や牙も持っている。
だから雨露をしのげるし、寒暑も防げるし、草木を食べることもできるし、噛み付くこともできる。
それでやっと生活をすることができる。
人はそうではない。
生まれながらに毛羽は無く、また爪や牙もない。
だから衣服がなければ寒暑を防ぐことができない。
住居がなければ、雨露をしのぐことができない。
穀物がなければ、生命を養うことができない。
もし衣・食・住の3つがなければ、生活をすることができない。
建国の祖や中興の祖はそれを哀んで、衣・食・住の道をつくり、布や絹を織って服をつくり、原野を開いて穀物を生産し、竹や木を切って住居を作り、生活ができるようにさせたのだ。
毛羽や爪や牙がなくても、安定して生活ができるものは、建国の祖や中興の祖のおかげなのである。
それでも頑張れば豊かになり楽しめるが、怠ければ貧しくなって苦しむことになる。
人である以上は、一生懸命働かざるを得ないのである。
もしブラブラと怠けて貧乏に苦しむものは、建国の祖や中興の祖にそむいた罪人というべきである。
その罪人は、当然服もなく野宿して草を食べるべきである。
もし服を着て穀物を食べ、住居に住む以上は、建国の祖や中興の祖のおかげであると心得るべきである。
そして一生懸命働いて衣・食・住を安定させるべきである。だから一日たりとも怠けてはいけないのである。

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