2010/10/14

二宮先生語録17 現代語訳

17.城の堀を見ると水が青く、その深さ測りしれない。
この堀が一城を守るのである。しかしその水の源をたどっていけば、細い流れに過ぎない。
その下流もまた同じである。
もしこの堀の水を平地に流してみても、小さい川になるに過ぎない。
要害とするには足らないのである。
堀の水は、細い流れで入り、堀を満たしてまた細い流れで出ていく。
だからいつも満ちて干上がる恐れがないのだ。
私の興国の道も同じである。
君主は国が衰えているときの時の分を守り、分外に生じた財産を分内にいれずに、国を復興させる財源とし、荒地を開き貧民を恵み、衰えた国が復興し税額が元に戻るまで待って、その後に栄えた時と衰えた時の税収の平均に応じて、収入を計算して支出を決め、謹んでその制度を守ったならば、その国は常に富み栄えるであろう。
また衰えるおそれもない。
もし君主が国の衰えた時の分を守ることができず、分外の財産をあわせて分内に入れ、眼前の費用にあて衰えた国が復興し税額が元に戻るまで待つことができなければ、その国ついに衰え滅亡するであろう。
国家が復興したり滅んだり、私の道が成功したり失敗したりするのは、分度を守り税額が元に戻るのを待つことができるか、分度を忘れて税額が元に戻るのを待つことができないかにかかっている。
国の君主はよく堀の水を見て戒めとしなければならない。

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